新バージョン よくあるご質問

 

1.退職金制度全般

 

 Q1.退職一時金制度のデメリットにはどのようなものがありますか(20186)

 

                                  回答はこちらから

 

2.確定拠出年金制度

 

 Q1.日本版401Kとはどのような制度ですか(20186)

  

 Q2.マッチング拠出(従業員拠出)について教えてください(20186)

 

 Q3.マッチング拠出(従業員拠出)はいくらまで拠出可能ですか(20186)

 

                                  回答はこちらから

 

 

3.確定給付年金制度

 

4.その他(年金制度一般)

 

旧バージョン よくあるご質問

 

Q

確定拠出年金に従業員も掛金拠出できるのですか?

 

A

掛金額に制約がありますが、会社といっしょに拠出できます。マッチング拠出という制度です。

拠出したお金は所得控除となり、その運用益には課税されず、支給時には退職所得控除(一時金で受け取る場合)か公的年金等控除(年金で受け取る場合)が適用され、課税軽減または非課税となります。

これと類似の制度として、「給与振替型DC」とか「選択型DC」と呼ばれる制度もありますが、これとの長短を比較してみることも必要です。(これについては別のQAでご覧ください。)

 

(参考)企業年金の現場から 

 

 確定拠出年金(DC)は本来、企業が従業員のために掛金を拠出する制度ですが、せっかくなら従業員自身も企業と一緒に拠出して積立て効果を高められないかという要望がありました。これが平成24年1月に実現しました。

なぜマッチング拠出が、それほど待ち望まれていたのでしょうか?

それは、税制面での優遇を受けられるため、個人で金融商品に投資するのに比べ、はるかに有利であるからです。

 

① 掛金の拠出時に所得控除を受けられる

 

掛金は、「小規模企業共済等掛金控除」として、全額所得控除を受けられます。

ただし、他の企業年金制度の無い企業でも、労労使合計の拠出限度額は5万5000円で、さらに、従業員の掛け金は、事業主の掛け金額を超えることが出来ないので、マッチング拠出できるのは、最大で2万7500円までとなります。

 

東京都に住む、年収300万円の従業員が、上限ぎりぎりの、毎月2万7500円(年間33万円)を頑張ってマッチング拠出したと考えてみましょう。所得税・住民税を合わせて、年間4万9500円もの節税効果を、享受することができます。

 

② 運用益に課税されない

 

個人で運用した場合、利息や運用益に対し、所得税・住民税を合わせて、20%が課税されます。(平成25年12月31日までは、10%の軽減税率が適用されている)しかし、確定拠出年金の運用益には、課税されません。

上記の例のように、毎年33万円のマッチング拠出を続けて、2%で運用した場合、40年間で1993万円の資産を形成する事が出来ます。個人で運用した場合と比べ、約164万円もの節税効果があることになるのです。

 

③ 受け取る時にも税制の優遇がある 

 

年金で受け取る場合には「公的年金等控除」、一時金で受け取る場合には「退職所得控除」が適用されます。

ちなみに、40年間企業に勤務した場合の、退職所得控除は2200万円となります。

確定拠出年金を導入済の企業では、マッチング拠出により、従業員のさらに手厚い老後資金の確保に役立ちますし、従業員の退職金制度に対する関心も高まるものと考えられます。

 

また、毎月の多額の掛け金は負担になるとして、これまで確定拠出年金の導入を見送っていた企業にとっては、従業員とともに拠出するので、より導入がし易くなりました。

 

事業主、従業員ともにメリットの大きいマッチング拠出。これを導入しない手はありません。

 

 

Q

当社が加入している厚生年金基金が解散しますが、基金事務局から、解散後もその残余財産を基に、現状の加算掛金程度の掛金で後継基金(DB)を運営したいので加入してほしいという要請があります。

加算部分だけでうまく運営できるものでしょうか? 

それとも当社が従業員の分配金を基に小さいながら手堅く運用する企業年金を作る方がいいのでしょうか?

 

A

後継基金の計画内容を十分に検討する必要があります。概して2.5%ぐらいの予定利率で設計していることが多いのですが、10年国債利回りがゼロかマイナスという市況では無理があると考えるべき でしょう。

それに給付条件は、厚生年金基金のような終身年金ということは考えられませんから、その分悪化しています。会社の独自制度の方がプロの金融機関に運用してもらうので、後継基金の素人運用よりは一般に安定性があるとも言えます。

 

(参考)企業年金の現場から 『厚年基金解散の後始末』

 

○解散後、基金事務局が薦める私的年金

  厚生年金基金からの代行返上の提案は、十分注意しないと、思わぬ負担を負うおそれがあるということは7月号でお話しましたが、一方解散の場合、基金事務局が基金の加算部分を引き継ぐような形で、新設の企業年金を提案していることが多いようです。こういう提案にどう対処すべきでしょうか。

  概してこういう基金は代行返上したくても財務内容が悪くてできないので、一旦解散した上で、僅かばかりの残余財産を基に、掛金をつぎ足した形で、基金型企業年金として生き残ろうとするものです。そこに無理な背伸びの計画となる可能性があります。

  あなたの財産の運用に失敗した証券営業マンが、その残余金に追加拠出する新しい運用案を作って薦めに来たらどう対処しますか?それがこの種の企業年金案に対してとるべき基本姿勢です。

 

○新制度提案のチェック・ポイント

 

 ①まず提案の設計内容の妥当性です。高い運用利率を想定したり(咋今の世界の金融情勢から見て、長期金利2.5%でも甘すぎます。)、加入者数が年々増加する見込みで設計しているようでは危険です。

 

 ②従来の基金と比べて給付がどれだけ減っているか? 年金給付額は余り減らさず、基金の終身年金を20年、15年の確定年金にして、実質的に給付減額しているものもあります。長寿化する将来も給付できるか不安です。

 

 ③注意すべきことは、「従来の加算掛金と同程度の掛金で、」という表現です。従来の加算掛金が、運用資産の目減りを挽回するために、著しく高くなっているということを忘れたのでしょうか、あるいは、皆様方が忘れてくれるよう期待しているのでしょうか。基金解散後に新しく企業年金を設立するのであれば、「今までの掛金より安い掛金で」という呼びかけがあってしかるべきでしょう。

 

○代替制度の設定と検討に値する新旧の諸制度

 

 ①基本的には、基金類似の制度として確定給付企業年金やキャッシュバランスで基金の給付体系になるべく近く、実現可能な給付水準の制度を設計してみることです。これがうまくゆかなかったり、面倒だということであれば、下記のような既存の制度から適切なものを選んで加入することも検討できましょう。

 

 ②既存のグループ型(総合型)確定給付企業年金:一部の金融機関がグループ型の制度の実績を積み上げています。

 

 ③受諾保証型のCB制度:最近2社の生保で、一般勘定利回り+配当で安定運用型の制度 を用意しようとしています。

 

 ④この際従業員の自主性に期待し、または退職給付債務の圧縮を目的として、確定拠出年金(DC)を導入してみるのも一法です。マッチング拠出(従業員の拠出)も可能となり、10月からは拠出上限額がさらに引き上げられ、十分な給付額が可能となる制度に成長してきました。

これらの制度の検討を行ううちに、基金事務局から提案されているものより、適切なものを見出すことができる可能性があります。

 

 これらの設計、選択に当たっては、各社の既存の制度との整合性や、既存受給者とのバランスも考える必要もあり、人事、財務両面をにらんだ検討が必要で、経験豊かなコンサルタントと相談するのが有効でしょう。        

  


 

Q

確定拠出年金(DC)に従業員が拠出する方法として、「マッチング拠出」のほかに、「給与振替型」DCという制度があるそうですが、それはどんな制度で、マッチング拠出とどちらが有利でしょうか?

 

A

例えば給与の一部を「セカンドライフ手当」等とし、従業員の希望により「そのまま給与として受け取る」か「確定拠出年金の掛金として拠出する」かを選択できる制度です。「選択型DC」ともいわれます。これにより、企業が掛金を支払うことなく、確定拠出年金制度を導入し、「マッチング拠出」と同じような節税効果を従業員が受けることも出来ます。  

どちらが有利かは、ケースによって異なりますが、概して、給与振替型の方が、従業員にとって社会保険料も減りますので有利になります。(社会保険料の減少に伴う将来の公的年金の支給額の減少を差し引いても有利です。)また企業側も社会保険料の支出が減ります。ただ、給与振替型は、給与規程の改訂が必要で、また給与の比例する残業手当が減るのをどうするかという煩雑な問題を抱えます。

 

(参考)企業年金の現場から 確定拠出年金 ―「マッチング拠出」と「給与振替型」の魅力

 

2001年10月に導入された、確定拠出年金(DC)制度は、2014年7月末には、企業型の加入者が440万人を突破し、確実に定着しつつあります。老後の資金を潤沢にするため、企業だけでなく、従業員も掛け金を上乗せ出来る様にして欲しい、との要望は以前からありましたが、本年1月からようやく可能になりました。

8月末までに、既に1,200社以上で、「マッチング拠出」が導入されています。

 

「マッチング拠出」(従業員による掛け金の拠出)の魅力は、その節税効果にあります!

 

①掛け金全額が所得控除の対象になる!

 

 サラーリーマンの方には馴染みの無い名称ですが、毎月2万円を拠出した場合「小規模企業共済等掛金控除」として、24万円全額が所得控除の対象となります。生命保険や介護医療保険の控除が合わせて12万円までなのと比べ、多額の控除となります。

 仮に、独身、年収300万円とすると、「所得税」や「住民税」が年間3万6千円減少し、40年間では144万円の節税効果となります。

 

②運用益が非課税になる!

 

 20歳の人が、毎月2万円の拠出を40年間継続し、年利回りが2%としましょう。

 40年後の残高は、1,464万円に達します。個人で行えば、運用益に20%課税されて1,341万円となるので、123万円もの節税効果があることになります。

 

③給付時に、退職所得控除や公的年金等控除の対象となる!

 

 一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用され、ここでも節税効果が得られます。

 

ただし「マッチング拠出」に拠出できる金額に制限がありますので、留意してください。

 

「給与振替型」は、税金だけでなく、社会保険料も削減できます!

 

「年金制度が無い企業」に勤務している従業員は、節税の恩恵を受けることが出来ないのでしょうか? 

従業員のみが掛金を支払い、確定拠出年金制度を導入する方法があります。それが、「給与振替型」です。

 

例えば給与の一部を「セカンドライフ手当」等とし、従業員の希望により「そのまま給与として受け取る」か「確定拠出年金の掛け金として拠出する」かを選択できる「給与振替型」を導入すれば良いのです。

 

これにより、企業が掛け金を支払うことなく、確定拠出年金制度を導入し、「マッチング拠出」と同じような恩恵を、従業員が受ける事が出来ます。

 

①給与が減少したことになるので「社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)」を削減できる!

 

 「マッチング拠出」と同じ条件(20歳、独身、年収300万円、毎月2万円を拠出)の例で計算すると、40年間では138万円削減できます。

 

②給与が減少したことになるので「税金」も削減できる!

 

 同じ条件の例では、40年間で「所得税」「住民税」を80万円節税できます。

 

※①と②を合計すると、その効果は218万円にもなりますが、一方で、厚生年金保険料が削減されたことにより、将来受け取る厚生年金額も減少します。標準報酬月額にもよりますが、上記の例で、年間5~6万円、20年受け取った場合100~120万円程度の減少が見込まれますので、この点に留意する必要があります。

 

③運用益が非課税になる!

 

 「マッチング拠出」と同様に、利回りを2%とすると、40年間で123万円もの節税効果があることになります。

 

④給付時に、退職所得控除や公的年金等控除の対象となる!

 

 一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用され、「マッチング拠出」と同様の節税効果が得られます。

 

⑤雇用主も「社会保険料」を削減できる!

 

 支払う給与が減少したことになるので、雇用主が支払う「社会保険料」も削減されます。上記の例では、40年間で148万円削減されます。

 ただし、「確定拠出年金制度」の維持に、40年間で20~30万円程度の費用が発生すると見込まれるので、雇用主の受ける恩恵は、実際はもう少し減ります。

 

「税金」や「社会保険料」の削減に多大な効果が期待できる「マッチング拠出」と「給与振替型」の魅力ぜひこれらを導入し、その恩恵を受けようではありませんか。

 

 

Q

企業年金としてキャッシュ・バランス・プランを採用すると、年金資産の目減りリスクがなくなるのですか?

 

A

キャッシュ・バランス・プラン(CBと略称する)は確定給付企業年金(DB)の一種です。一般にDBは確定した給付額を積み立てる制度で、年金資産運用が想定した運用条件を下回ると、積立不足を生じます。

CBの場合は給付額が固定的に算出されるのではなく、例えば10年国債利回りを基準とした増加率で積み立てられた額として設定されますので、運用が悪い時には、給付額も下がりますので、積立不足が生じにくくなります。

 

(参考)企業年金の現場から 「注目を集める『キャッシュ・バランス・プラン』(CB)」

  

キャッシュ・バランス・プラン(以下CBという)が注目を集めています。CBは平成14年より導入が認められた制度で、確定給付企業年金(以下DBという)に分類されます。大手の電機メーカーなどが導入し、一時注目を集めましたが、ここへきて、再び注目されるようになりました。

 厚生年金基金制度が原則廃止されることとなりましたが、廃止後に設立される後継制度としてCBを採用する事例が増加しているからです。なぜ、DBではなく、CBなのでしょうか。

 

 CBはDBと確定拠出年金(以下DCという)の特徴を併せ持つ、ハイブリッド型の制度です。DBは一定の計算方法により退職金額が決まります。その退職金を支払うため、企業が掛金を掛け、支払い時までその掛金を運用します。一方、DCは一定の計算方法で決まる掛金額を、企業が従業員の年金口座に拠出し、それを従業員が運用します。つまり、運用リスクをDBは企業が、DCは従業員が負うことになります。

 それに対しCBは、一定の計算方法できまる掛金額を従業員の仮想年金口座に拠出するところはDCに似ています。その仮想年金口座の残高に利息が付き、元利合計を従業員が受け取ります。利息を付けるのは企業の責任で行われますので、企業が運用リスクを負うことになります。ただし、DBのように一定の利率(予定利率)以上の運用ができないと積立不足が発生するのとは異なり、仮想年金口座に付利する利率(再評価率)は国債の利回りなど一定の指標に基づき変動しますので、指標に連動するような運用をすることにより、DBよりは積立不足が発生しにくくなります。

 

 厚生年金基金が解散した後に、基金事務局が後継制度を提案する場合があります。後継制度をDBにすると厚生年金基金の二の舞いとなって、積立不足の増大に苦しめられることも考えられますので、少しでも積立不足が発生するリスクを抑えるため、CBを採用するケースが多くなってきています。

 

 また、平成26年からCBの給付設計の弾力化が図られ、指標として「年金資産の運用実績」が追加されました。さらに、再評価率は、従来は「単年度で0以上」とされていましたが、「退職までの通算で0以上」とされるなどより使いやすい制度になりましたので、今後はCBを採用する企業も増加すると思われます。

 

 


 

Q

企業型DCで信託報酬の安価な制度に乗換えたいのですが?

 

A

確定拠出年金(DC)を採用する際、信託報酬は大きなポイントです。昨今の運用環境では、信託報酬次第で想定利回りを確保できないケースもあります。

このため、運営管理機関を変更し、信託報酬の低い運用商品に変更することで、実質利回りを改善しようとする動きが最近増加していますが、その際の最大の留意点は、旧プランの資産を一旦売却して現金化し、新プランに移換する必要があることです。

 

(参考)企業年金の現場から 「高すぎる信託報酬は見直しを」

 

 4月3日に、「確定拠出年金(DC)法等の一部を改正する法律案」が通常国会に提出され、衆議院を通過しました。現在は次期国会の参議院での審議結果を待つ段階にあります。

この法案には、DC制度の様々な改革内容が含まれていますが、その中に、「事業主は、委託する運営管理機関を5年ごとに評価・検討し、必要に応じて変更すること等を努力義務とする」という内容が盛り込まれました。

 

 DC制度では、運用は従業員に任されていますが、会社も金融機関任せにするのではなく、その運営管理業務をしっかり評価し改善を求める努めがあると規定するものです。

 

 DCの運用に大きな影響を与えるのは、運用商品です。運用商品として主に選択される投資信託には、インデックス型(=パッシブ型)とアクティブ型の分類があります。投資信託の構成銘柄や構成比率を適時変更して、より高いパフォーマンス(≒利回り)を追及するアクティブ型は、手数がかかることから、信託報酬(≒手数料)が高く設定されることが一般的です。しかし、その割にはパフォーマンスがインデックス型に及ばないケースが多いと報告されています。

 

 例えば、ある会社のDCに採用されている外国株式型の投資信託は、アクティブ型で信託報酬が約1.7%です。一方、別の会社の採用した外国株式型の投資信託はインデックス型で、信託報酬は約0.3%でした。この両者の投資信託の約13年間の運用成績を追ったところ、当初預けた100万円がアクティブ型は約160万円に、インデックス型は約200万円になることが分かりました。

 

 アクティブ型、インデックス型ともに増えているのですが、両者の間には40万円もの差がついてしまいました。アクティブ型は常によりよいパフォーマンスを追及しているのですが、場合により間違った判断で悪い結果を招くこともあり、また、年率1.4%の信託報酬の差が大きな障害となって、インデックス型に及ばない結果となってしまった訳です。

 

 DC制度を導入されている企業の方々には、ご自分の会社の運用商品を確認してみることをお勧めします。多くの金融機関が、DC用のインデックス型投資信託として信託報酬が0.2%~0.3%のものを用意しています。もしも、日本債券、日本株式、外国債券、外国株式などDCで良く利用される投資信託で、0.5%以上の信託報酬のものが運用商品に含まれていたら、運営管理機関に相談して、入れ替えを依頼するのも一案です。たかが、0.1%や0.2%の差くらいと思えても、30年、40年の長期運用では大きな差につながります。

 

 公的年金の支給率引き下げを進めざるを得ない国の財政状況の中、各企業においても、DC制度の効率を高める対策が期待されています。

 

 

Q

確定拠出年金の運営管理機関をコンペでき決める会社があるそうですが、どういうメリットと問題があるのでしょうか?

 

A

従来、適格退職年金等企業年金の事務費やサービスはどの金融機関でも同じでした。

しかし、金融ビックバン以降は企業年金の事務費やサービスも大幅に自由化 されています。特に、確定拠出年金(DC)は、信託銀行、銀行、生命保険、損害保険、証券等が参入したため事務費(手数料)やサービスは会社毎に大幅に 違っております。

 

(参考)企業年金の現場から 「コンペのすすめ」

 

・マイナス金利で一段と高まる手数料

 

 かねてから銀行の利ザヤ収益は低下してきましたが、日銀のマイナス金利政策で貸出や債券運用の収益力は一段と縮小します。これを補完すべく、銀行が収受する様々な手数料が引き上げ圧力にさらされるのは避けがたいことでしょう。確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)の手数料もその例外ではないとみておくべきです。そうした銀行の動きは、当然生損保の手数料水準にも上向きの影響を与えます。

 

・会社負担の手数料と従業員負担の手数料

とりわけDCの場合、会社が払う運営及び資産管理手数料のほかに、各種投資信託について「信託報酬」と称してその商品を選んで運用す従業員の負担になる手数料があることに注目しなければなりません。その運用商品が2.0%の利回りを上げたとしても、信託報酬が1.2%ですと、実質0.8%の運用にしかなりません。

 

 これでは企業年金のせっかくの非課税メリットも吹っ飛んでしまいます。ですから、運営管理機関の選定を行うにあたって、コンペを行うことによって、とりわけ信託報酬の低い金融機関を選ぶことが必要になります。 

このたびのDC改正法には、運営管理機関の見直しの努力の義務化も盛り込まれています。

 

・「パッシブ・ファンド」と「アクティブ・ファンド」

 運営管理機関が提案してくるファンドには、日経平均とかMSCI(モルガン・スタンレー・キャピ

タル・インデックス)のような内外の証券の利回りの平均的な指数にリンクして基準価格が決まる「パッシブ・ファンド」と、「日本成長株ファンド」とか「世界ロボット産業株ファンド」とかと、特定の地域や産業分野の企業を限って平均以上の利益を狙い求める「アクティブ・ファンド」とがあります。

 

 当然、情報調査の必要な後者の方が信託報酬は高いのです。しかし、アメリカでの調査では、「アクティブ・ファンド」の成果が長期にわたって「パッシブ・ファンド」のそれを上回ったことはほとんどないと報告されています。

 

 ですから、コンペに当たっては、「パッシブ・ファンド」に力点をおいている金融機関をより高く評価すべきでしょう。

 

・金融機関との関係の調整

 

 当法人はこうしたコンペの実務をお手伝いしてきましたが、コンペを行うことで信託報酬や手数料のかなり大幅な引き下げ効果を出せることは事実です。ただ、そうはいってもメインバンクや大株主の金融機関との取引関係もこれあり、まったくの競争関係で決めるわけにもゆかないという話もよく聞きます。

 

 しかし、現実には、こういう特別な取引関係があっても、コンペは有効に働きます。競争原理をとり入れてコンペを行うことで、メイン・バンク等関係先との交渉力もつき、費用削減の要望を受け入れてもらった事例も数多くあります。

                                    


 

Q

最近“iDeCo”という年金商品の紹介を目にしますが、どういうものでしょうか?

 

A

従来から行われていた個人型の確定拠出年金(DC)がサラリーマンだけでなく、公務員や専業主婦にも加入が認められることになったのを機会に、“iDeCo”という愛称をつけて、国としても積極的に普及推進させることとなったものです。

特に従来、女性が結婚して専業主婦になった場合、掛金を拠出せずに運用だけを続けるか、あるいは通算拠出期間が3年以下か、個人別管理資産が50万円以下であれば、脱退一時金を受領するしかなかったのですが、今後は継続して掛金拠出をすることが可能になります。

 

(参考)企業年金の現場から 「個人型確定拠出年金の愛称は、iDeCo(イデコ) 」

  

個人型確定拠出年金(DC)の愛称募集には4,000件以上の応募があり、その中から「iDeCo」(individual Defined Contribution)に決まったと、先日発表されました。「i」には「私」という意味が込められているそうで、自分で運用する年金の特徴を捉えている、と選定理由を説明しています。

 

 DC制度が導入されてから15年が経過しますが、企業型DCの加入者が600万人に達しようとしているにも係わらず、個人型DCの加入者は30万人弱に留まっています。こうした中、平成28年5月の「改正確定拠出年金法」の成立により、公務員や第3号被保険者(いわゆる専業主婦)も個人型DCに加入できるようになりました。今回の愛称募集を含め、個人型DCを普及させようとする、国の本気度がうかがえます。

 

 平成28年10月から、従業員501人以上の企業に勤めている短時間労働者で、①週の所定労働時間が20時間以上、かつ②賃金の月額が8.8万円以上、等に該当する場合には、厚生年金保険の加入対象者となりました。

103万円の壁と言われている「配偶者控除」を「夫婦控除」に変更する案は、29年度の税制改正では見送られるようですが、労働力不足もあり、女性にもっと働いてもらい社会で活躍してもらおう、という気運は高まっています。

 

 厚生労働省の財政検証によれば、公的年金による所得代替率(現役世代に対する収入の割合)は、平成26年度は60%を超えているものの、30~40年後には40~50%に低下する見込みです。今後は、老後資金を自分で手当するという、自助努力の必要性が明らかになってきました。

 

 こうした年金を巡る流れの中、当然ながら、企業型DCへの関心も高まってくるものと思われます。現在、企業型DCの導入企業のうち、従業員拠出(マッチング拠出)を行っている企業は30%程度に過ぎませんが、今後、老後資金の形成手段として、従業員から自らも拠出することを求める声が強まってくるものと考えられます。今回決まったiDeCo(イデコ)の名称の普及に合わせ、マッチング拠出の採用を行う事を推奨いたします。

 

 確定拠出年金制度に加入すると、原則として中途で脱退する事はできません。

 しかし、これまでは第3号被保険者の加入が認められていなかったので、企業を退職して第3号被保険者になった場合、掛金を拠出せずに運用だけを続けるか、あるいは通算拠出期間が3年以下か、個人別管理資産が50万円以下であれば、脱退一時金を受領することが出来ました。改正法施行後は、いわゆる専業主婦も、個人型DCの加入者になり継続して掛金拠出をすることが可能になるので、脱退一時金で受領する事は大幅に制限されます。(残高1万5000円以下であれば、これまで同様に脱退一時金の受領は可)特に女性従業員については、今回の改正法を十分理解してもらう必要があります。

                                    

 

Q

当社は退職金制度はありますが、この一部または全部を企業年金にするとどういうメリットがあるのですか?

 

A

中退共を含めて、すべての企業年金について、

①企業年金に企業が(一部については従業員が)拠出する金額が即時に損金算入となり、法人税(または所得税)を節税できます。

②企業年金の運用益が非課税になります。

③また確定拠出年金(DC)や、今後適用されるリスク分担型確定給付企業年金(DB)の場合は、退職給付債務が発生せず、財務バランスの改善効果も享受できます。

 

企業年金を採用することによる節税効果をあるモデルを使って定量的に試算してみましょう。     

40年後に1000万円支給される企業年金を想定して、1人当たりの節税効果を試算します。 (想定利回り2%,法人実効税率35% )

 

・節税効果① (即時損金算入の効果)

 

退職一時金の場合、一般財産として仮想積立を行うとすると、40年後に1000万円を支給するための年々の要積立額(利回り2.0%と仮定)は1000万円÷(2.0%、40年の年金終価係数60.4)=16.6万円となります。

この16.6万円に対し年々35%課税され(企業年金を採用しておれば免れたもの)、一方40年後の支給時に支給額全額が損金算入され、その35%が事後的に節税できることになります。

従って、企業年金の場合と比べるとこの40年間に支払った税金の運用益を失ったこととなり、その金額は、 各年の税額16.6万円×35%=5.8万円で、40年間の運用益の差額は5.8万円×(1.3%、40年の年金終価係数52.0)ー5.8万円×40年=70万円となります。

 

 (注)想定利回りは2%ですが、35%課税されますから、実質利回りは2.0%×(1-0.35)=1.3%となります。  但しこの額は40年後の価値ですから、現在価値では70万円÷(1.3%、40年の複利係数1.68)=42万円となります。

 

・節税効果② (運用益非課税の効果)

 

退職一時金のための一般財産の仮想積立が同じ2%で運用されているとすれば、その運用益には実効税率約 35%が課税され、実質利回りは2.0%×(1ー0.35)=1.3%となり、40年後に一時金1000万円を支給するための年々の要積立て額は、1000万円÷(1.3%、40年の終価係数52.0)≒19.2万円、一方、DCの拠出金額は、 1000万円÷(2%、40年の終価係数604)=16.6万円の数字となります。

その差は 19.6万円ー16.6万円=3万円、この分だけDCの拠出額の方が少なくてすみます。40年間の累計(やはり1.3%で運用してゆくとすると)では、3万円×(1.3%、40年の終価係数52.0)=156万円の差となります。

 

但し、これは40年後の差額ですから、現在価値としては、 156万円÷(1.3%、40年の複利係数1.68)=93万円となります。

 


 

Q

最近、「第3の企業年金」とかというリスク回避のできる制度ができたそうですが、どのような制度でしょうか?

 

A

従来型のDBでは、積立不足が発生してから掛金を増額できましたが、、 将来発生する恐れがあるリスク(積立不足)に備えて、あらかじめ掛金を増額する仕組み(「リスク対応掛金」の拠出)が認められることになり、一方その「リスク対応掛金」でカバーされない部分は従業員が負担(給付減額)します。

逆に、積立金に剰余が発生した場合は、従業員の給付が増額されます。会社が将来発生するリスクをどの程度負担するかは労使協議により決まります。会社は将来の追加拠出がないので、DCと同様、退職給付債務の計上の必要がなく、DBですから60歳まで下せぬという制約もなく、DBとDCのメリットを併せ持つ制度です。

 

(参考)企業年金の現場から 『新たな選択肢が加わった確定給付企業年金』

 

 確定給付企業年金(DB)の問題点は資産の積立が、しばしば、予定通りにいかないことです。運用不振などで、資産が予定通り積立できないと積立不足が発生し、その補填のために掛金を増額する必要があります。景気が悪化しているときほど積立不足が発生しやすいので、企業業績が悪いときに掛金の増額を求められる結果となりますので、導入を躊躇するケースがありました。DBのこの問題点が普及のさまたげになっていると考えられ、これを改善するために、平成29年1月1日から二つの選択肢が新たに加わりました。

 

 一つ目の選択肢が「掛金拠出の弾力化」です。従来型のDBでは、積立不足が発生して初めて掛金の増額が可能となり、一定のルールに基づいた追加拠出が義務付けられます。今回、将来発生する恐れがあるリスク(積立不足)に備えて、あらかじめ掛金を増額する仕組み(「リスク対応掛金」の拠出)が認められることになりました。将来の給付をまかなうための掛金(標準掛金)に上乗せして「リスク対応掛金」を拠出する必要がありますので負担は増加しますが、思わぬ時に掛金の拠出をせまられるといったリスクは減少します。財務的に余裕がある企業にとっては、選択肢の一つとして検討に値するでしょう。

 

 二つ目の選択肢が、この「リスク対応掛金」の仕組みを活用した「リスク分担型企業年金(第3の企業年金ともいわれます)」です。これは将来発生するリスクを想定し、そのリスクを会社と従業員とで分担する仕組みです。

 将来発生するリスクは20年に一度発生するようなリスクとし、一定のルールに基づき測定します。そのうち会社が「リスク対応掛金」の拠出でカバーする部分が会社負担となり、「リスク対応掛金」でカバーされない部分が従業員負担となります。積立金が減少し掛金収入現価と積立金の合計額が、給付現価を割り込んだ場合は従業員の給付を減額し、逆に、順調に積立がなされ積立金に剰余が発生した場合は、従業員の給付が増額されます。会社が将来発生するリスクをどの程度負担するかは労使協議により決まり、「リスク対応掛金」はその水準で固定されます。標準掛金も原則、固定されます。

 会社は固定された掛金を負担するだけで、追加の拠出を求められることはありませんので、DBの仕組みでありながら、会計上は退職給付債務が発生しない確定拠出型の制度に分類されます。DBの仕組みであるため、確定拠出年金(DC)のように60歳にならないと受け取れないといったことはありません。また、会社が運用しますので、従業員の投資教育が必要といったこともありません。ただ、制度発足時に将来発生するリスクを会社と従業員がどう分担するかの労使合意が必要なほか、制度発足後も従業員が参加する委員会を設置し、運用実績の確認などができる体制を構築する必要がありますので、従業員の理解が得られるかどうかが導入のポイントとなります。

 

 新たにDBの選択肢が加わったことにより、これから企業年金を導入する場合は、まずDB制度とするかDC制度とするか検討し、DB制度を導入することとなった場合は、「従来型のDB」とするか「キャッシュ・バランス・プラン」とするかに加えて、「リスク対応掛金も拠出するDB」とするか「リスク分担型企業年金」とするかの検討も必要となり、より複雑な作業となります。将来に禍根を残さないためにも、外部の専門家に助言を求めるなど慎重な対応が求められます。

 

 

Q

当社は従業員200人の会社で、退職一時金制度の一部について企業年金を採用したいと思いますが、生保の担当者から中退共を強く薦められています。確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)と比べて、中退共に加入することのメリットとデメリットを教えてください。

 

A

中退共のメリットの一つは、立ち上げ手続きが簡単なことです。ですから生保の担当者の中には、手間をかけずに企業年金化の実を上げ、それをご縁に保険営業を進めたいという姿勢の営業姿勢をとる者もあります。 

目下予定運用利回りは1%で、政府の助成金もあり、企業や従業員に追加拠出のリスクもありませんが、利率は政令で変更されますし、国の保証があるわけではありません。とくに加入直後の利回りが低く、1%で回せるのは8年目からという問題もあります。「中小企業」としての加入要件にも制約がありますから、注意が必要です。

 

 

中退共をDCやDBと比べた場合のメリットとデメリットは大要下表のとおりです。

 

メリット

デメリット

事業主にとって

(1)資金負担の平準化

(2)掛金の追加拠出の必要なし

(3)加入、掛金増額にあたり国よりの助成がある

(4)仕組みが単純で分かり易い

(5)掛金は即時損金処理

(6)退職給付会計の対象外(外枠の場合)

(7)国が行っている制度なので安心感がある

  但し、国が支払い等を保証している制度ではない(独立行政法人)

(1)退職金が従業員に直接支払われる

   (死亡退職の場合は、その遺族へ)

(2)全員加入の原則

(3)加入できる中小企業に要件あり

(4)懲戒解雇の場合に退職金を減額するには厚労大臣の認定がいる。 減額しても企業には返還されない

(5)掛金の減額変更には一定の条件が必要

   ①その従業員が同意した場合

   ②現在の掛金月額の継続が著しく困難であると厚労大臣が認めた場合

(6)解約が難しい(中小企業の資格要件を欠く場合は別)

(7)財政状態は、運用環境に左右され、しばしば債務超過に陥り、付加退職金がつかなくなる.

従業員にとって

(1)退職金を確実に貰える(社外積立)

(2)資産運用について従業員はリスクを負わない

(3)過去分の退職金との通算制度がある

(4)予定運用利回りで計算された「基本退職金」と運用利回りが予定運用利回りを上回った場合に上積みされる「付加退職金」が支払われる。(内枠の場合は事業主のメリット)利回りの引き下げは政令で可能

(1)1年未満で退職すると掛金が掛け捨てとなるなど中途退職に不利、勤続43ケ月以上で初めて運用利回りが一部上乗せされる。1%の金利が適用されるのは8年後

(2)年金での受給ができない。(分割受給の制度はあるが、利回りは1%未満のため利用価値は小さい)


 

Q

確定給付企業年金(DB)は複雑な計算が必要で、中小企業では採算に合わず、導入することが難しいといわれていますが、かねて確定拠出年金(DC)について行われているように、多数の中小企業が参加して、合同で運営することはできないのでしょうか?

 

A

最近になって、キャッシュバランス・プラン(DBの一種です)について、合同運営する機関ができました。参加する企業は厚生年金に加入している企業であれば、業種、規模を問わず、各企業ごとに退職金水準を決めることもでき、手数料も適切です。ただ、将来掛金を払えないようなことになりそうな企業は加入時の審査で排除される場合があります。

 

(参考)企業年金の現場から 

 

複数企業が加入する「基金型・確定給付企業年金」

―少人数でも加入可能に

(神奈川新聞平成23年4月14日に掲載された当法人理事の寄稿記事の要約)

 

従来、従業員数が数十名の企業では、DBの導入が難しいといわれていました。DBは確定拠出年金と違い、年金数理計算が必要なことなど運営に手間がかかるため、一定の人数規模がないと事務手数料が割高となり導入を断念せざるを得ない場合がありました。基金型DBは複数の事業主が共同して制度を実施することにより、このデメリットを取り除き少人数の企業でも加入が容易となる仕組みです。

 

ある企業を例に、制度の概要を見てみます。

 

▽給付額の算定方法をキャッシュ・バランス・プランとしています。これは退職金を支払う人の仮想個人口座を設定し、企業からの拠出付与額と利息に相当する利息付与額を積み上げいきます。退職したときは、仮想個人口座の残高相当額を基準に給付を受けます。利息付与額は、国債利回りを指標に一定のルールに従って計算された額となります。

 

▽給付の種類は、老齢給付金、脱退一時金、遺族給付金の中から、退職事由に応じて給付されます。

 

▽資産運用は、企業の責任で行います。前述のとおり、利息付与額が国債利回りに応じて変動しますので、過度の運用益を追及することなく、利息付与額が賄える程度の運用を目指しています。

 

▽掛金は全額損金算入となります。

 

▽基金への加入資格は、厚生年金に加入していれば業種、規模を問いません。ただし、健全な基金運営のため、加入審査があります。

 

 制度の概要は以上の通りですが、加入する企業ごとに退職金水準を決められ、また加入資格も個別に設定できるなど、かなり柔軟な制度が構築できます。手数料も割安ですので、少人数の企業でDB(キャッシュバランスプラン)を導入したいが手数料などの問題で導入をためらっていた場合は、一度検討されることをお勧めします。