企業年金の現場から H27.09

マイナンバー制度がやってくる~民間事業者の対応~③

 

 新聞・マスコミ等、連日マイナンバー関連の話題で満載ですが、企業に関係すると思われる新しい情報をご紹介します。

 

1.「通知カード」がやむを得ない理由によって受取れない人についての特例

 前号で「通知カード」の配布についての注意点等をお知らせしましたが、それに関連した内容が発表されています。

10月以降、国民の一人一人の住民票の住所地にマイナンバー(個人番号)が「通知カード」により通知されます。この「通知カード」は、住民票の住所地に簡易書留で送付されます。従業員が、住民票の住所地と異なる場所(居所)に住んでいる場合、居所に生活の本拠がある場合にはそこに住民票を異動してもらうことが基本ですが、次の①~③に該当する、やむを得ない理由により受け取れない事が想定される場合は、現在住んでいる(入院している)住所を申請登録すれば(「通知カードの送付先に係る居所情報登録申請書」)、登録先の住所で通知カードを受け取ることが可能です。

 

   ①東日本大震災による被災者

   ②ドメスティック・バイオレンス(DV)、ストーカー行為等、児童虐待等の被害者

    (以下「DV等被害者」といいます。)で、住民票を残して、別の場所(居所)に住んでいる

   ③長期間にわたって医療機関・施設等に入院・入所することが見込まれ、かつ、入院・入所期間中は住所地に誰も居住していない。

    8月24日(月)から9月25日(金)までに(持参又は必着)、従業員本人が申請書および本人確認書類等を住民票のある市区町村に持参又は郵送します(政令指定都市に住民票がある方は、区役所に持参又は郵送)。

    従業員の方で該当者がいる可能性もありますので、社内掲示等で案内しておくことをお勧めします。 詳細については、内閣府ホームページを参照してください。

    http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/

 

2.従業員の「個人番号カード」の交付申請取りまとめが可能

 8/21付の日経新聞等でも報じられましたが、政府は、「個人番号カード」の交付方式について、企業で従業員の「個人番号カード」の交付申請の取り纏めを可能とし、職場で個人番号カードを受け取れるようにすることを決定したようです。

 10月以降に従業員に届いた「通知カード」と同封されている「個人番号カード」の申請書を企業が取り纏めて、一括申請すれば、企業が所在する市町村の職員が企業に出向いて本人確認をしたうえで従業員に配布するということです。

 これまでは、「個人番号カード」は、来年1月から住民が市町村の窓口で個人番号カードを直接受け  

取ることを公表していましたが、この方法を使えば、従業員が自身の住む市町村の窓口に出向く手間がなくなり便利です。

 ただし、従業員が「個人番号カード」を申請するか否かについては強制ではなく、あくまでも従業員の自己判断なので、従業員は、たとえ自身の勤める会社が一括申請を行うとしても今のところ、それに参加する義務はありません。

 

 以上、「通知カード」と「個人番号カード」についての最新情報でした。

 なお、マスコミ等で「通知カード」と「個人番号カード」を共に、単に「カード」と表記している場合を散見しますが、「通知カード」は住民票のある国民全員に通知される「カード」です。それに対して「個人番号カード」とは、あくまでも自身で「申請」しなければ受け取ることが出来ないカードです。

 昨今のご質問の中で、この2種類の「カード」の区別の整理が出来ていない様子を感じる事が多く補足させていだきました。

 

(江村 かおり)

 

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